特別企画コラム 根と微生物の関係
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(特別企画コラム) 根と微生物の関係はじめに
作物は、「根」が健全なら健康に生育します。その「根」は、「微生物」、つまり「菌」の働きによって左右されています。 1. 有機堆肥なのになぜ土壌病害が?
昭和40年頃、「堆肥無用論」が流行しました。「堆肥の肥料効果は化学肥料で置き換えられる。土の構造をよくする効果は、耕運機や深耕でなんとかなる。ムリして堆肥を入れる必要なし」という理論です。 2. 良い有機物でなければ
有機物というもの、実は、土の微生物のエサになるものです。そのため、微生物相の形成に大きな影響をあたえています。問題は、その有機物が土壌にプラスに作用するのかどうかです。つまり、根にとって有効な有機物(肥料や土壌改良剤)の利用が大事だということです。 3. 根のまわりの微生物たち
根の表面には多くの微生物が住んでいます。根というものは、土の養水分を吸収するだけでなく、光合成産物など体内の栄養豊富な成分をつくり、これを根から分泌しているのです。 4. 根の分泌物の量は膨大
普通の作物は一作で10アール当り300〜400キロもの光合成産物をつくります。その10%以上が根から分泌されていますから、実に40キロにも及びます。しかも高栄養の有機物ですから微生物に大きな影響をあたえているのです。 5. 根に住む微生物の働き
岩場のほとんど土のないところにも植物は生きています。いったいどのようにして生き抜いているのでしょう? 不思議ですね。だが、根の働きの秘密さえ知っていれば別に驚くことではありません。 6. 微生物は、根の養分吸収を助ける
根についた菌(菌根菌という)は、根の内部に菌糸を伸ばし根から養分を貰っています。一方、根の外に伸びた菌糸は、土の養分を吸収し逆に根に送っています。また、菌糸は7〜10cmにも伸びていきます。そのおかげで作物は、根が届ないところにある養分も、菌糸を通して吸収できるというわけです。 7. 微生物は、根の活力を高める
菌根菌など多種類の根圏微生物が住みついた根は、土壌病害にほとんどかかりません。有益な菌が根の回りを取り囲み、病原菌が入り込めない状態にしてしまうからです。また、たとえ入り込んだとしても勢力を伸ばすことはできません。 8. 有害な菌から根を守る
菌根菌など多種類の根圏微生物が住みついた根は、土壌病害にほとんどかかりません。有益な菌が根の回りを取り囲み、病原菌が入り込めない状態にしてしまうからです。また、たとえ入り込んだとしても勢力を伸ばすことはできません。 9. 根は固有の微生物相を根圏につくる
根圏微生物相は、根の分泌物と根が届かない非根圏の微生物によって左右されます。そこで、微生物のエサとしての有機堆肥を施用すると、非根圏の微生物に大きな影響をあたえることになり、その結果、間接的に根圏微生物相の生成につながってくるというわけです。 |
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